東京市場大引け『市況』by日本投資機構株式会社 評判
2019年 06月 11日
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■6月11日 本日の見出し
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外部要因の落ち着きを好感し堅調な展開に。
重要イベント多く控え、売買は低調。
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■本日の相場概況
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『国内』
11日の東京株式市場で日経平均株価は
前日比69円86銭高の2万1,204円28銭と続伸。
前日に節目の2万1,000円を突破したことで
寄り付きでは利益確定売りが先行しましたが、
売り一巡後は外部環境の落ち着きを好感した買いが入り、
プラス圏に転換しました。
10日の米株式市場で
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.5%高となったことから、
半導体関連銘柄の上昇が目立っています。
円相場の落ち着いた推移に加えて、
米株価指数先物や上海総合指数が堅調な動きを見せたことも追い風に。
しかし、続伸を続けていることで高値警戒感が生まれている上に、
来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)、
月末は20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)という
重要イベントも控えていることから、
様子を見たいとの投資家も多く、売買は低調となりました。
日経平均株価がプラス圏で推移したことで
個別銘柄にも物色の矛先が向き
ジャスダック平均株価、東証マザーズ指数も続伸しています。
『海外』
11日午前の中国・上海株式相場で上海総合指数は続伸。
中国政府による地方債発行要件の緩和といった
景気対策への期待が支えとなり、ほぼ全面高となっています。
『為替』
14時時点の東京外国為替市場で円相場は、1ドル=108円58~59銭と円高に傾倒。
米中貿易摩擦への警戒感から円買い・ドル売りが先行しましたが、
日経平均株価がプラス圏で推移したことで、
持ち高解消の円売りも波及し、揉み合い基調となっています。
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■明日の日本株見通し
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米利下げ期待を背景に堅調な相場展開が続いていますが、
そもそも5月の米雇用統計が市場予想を下回り
今まで堅調とされてきた米国内消費に陰りが見えていることが
利下げ期待が高まっている要因です。
こういった懸念要因を市場が織り込みきれておらず、
期待感ばかりでの株高に繋がっているのではとの見方が
投資家の様子見ムードを強め、
ここ数日の売買を低調にさせている向きもあるでしょう。
明日は場中に中国消費者・生産者物価指数の発表があり、
材料視して相場が上下に振れる可能性には注意したいですが、
本日の上海株が政府による景気対策への期待で上昇している点を考えると
悪い内容になっても相場は崩れにくいと見ています。
いずれにせよ米FOMC通過後の米国市場の動きを見ない限りは
大きく持ち高を傾けにくいことから
低調な売買、個別の材料株を中心とした
取引が続くとして明日の相場を見ていきます。
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■主要指数
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『海外』
・NYダウ:26,062.68ドル (+78.74)
・ナスダック:7,823.169 (+81.068)
・S&P500:2,886.73 (+13.39)
・為替 ドル円:108.60-108.61(-0.06)
『国内』
・日経平均株価:21,204.28円 (+69.86円)
・TOPIX:1,561.32(+8.38)
・日経ジャスダック平均株価:3,367.96円 (+5.28円)
・東証マザーズ指数:901.06(+6.15)
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■明日の予定
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『国内』
安部首相がイラン訪問
4月機械受注(8:50)
5月企業物価指数(8:50)
『海外』
中国5月消費者物価(10:30)
中国5月生産者物価(10:30)
米5月消費者物価(21:30)
米5月財政収支(6/13 3:00)
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■株式2.0参加者様へワンポイント!
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アナリストの江口です。
米利下げ期待を背景とした株価上昇が続いていますが、
世界景気の先行きへの懸念感は根強いまま。
ご資金に余裕がある場合は、
週末~来週にかけて空売りやベア型ETF買いで
リスクをヘッジする準備をしていっても良さそうです。
個別の空売り銘柄についてですが、
事業の伸びしろという点に着目すると
契約台数×契約料金以上の伸びが見込みにくい通信会社、
9437 NTTドコモなどがねらい目でしょう。