東京市場大引け『市況』by日本投資機構株式会社 評判
2019年 05月 31日
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■5月31日 本日の見出し
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米国によるメキシコへの関税発動が嫌気される。
為替の円高傾倒も嫌気され下げ幅を拡大して終了。
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■本日の相場概況
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『国内』
31日の東京株式市場で日経平均株価は
前日比341円34銭安の2万601円19銭と続落。
前日のNY市場終了後にトランプ米大統領が、
「メキシコが米国への不法移民流入を止めるまで
同国からの輸入品に関税を課し、関税率は当初の5%から
最高25%まで引き上げる可能性がある」とツイッターに投稿し、
自動車関連株などを中心に売りが優勢となりました。
関税発動により、メキシコ工場を通じた
米国への輸出に悪影響が出ると見られており、
米国とメキシコ両政府は30日から
北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准手続きを始めたばかりで
関係は改善傾向にあるとの見方が多かったため
市場の反応は大きくなっています。
リスク回避の円買いが波及し、
円高が進行したことも日本株の重荷となりました。
また、本日10時発表で市場の注目が集まっていた
中国の5月製造業購買担当者指数(PMI)は
節目の50を下回り、市場予想の49.9も更に下回る49.4に。
一時は上海株が政策期待から上昇したことで
日本株市場が落ち着きを見せる場面もありましたが、
政策期待はあれど、リセッション懸念を強める内容となりました。
日経平均株価の下げ幅が拡大したことで投資家心理が悪化し、
ジャスダック平均株価、東証マザーズ指数も続落。
『海外』
31日午前の中国・上海株式相場はほぼ横ばいで終了。
5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が重荷となりましたが、
政策期待を支えに買いも入って小幅な値動きに留まっています。
『為替』
14時時点の東京外国為替市場で円相場は、1ドル=108円96~97銭と円高に傾倒。
世界的な貿易摩擦の拡大を警戒して株式相場が下落したことで、
1一時108円95銭近辺と2月1日以来およそ4カ月ぶりの円高水準となりました。
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■来週の日本株見通し
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米国の対外強硬政策と中国指標の悪化が相まって、
投資家が世界景気後退の懸念感を強めています。
リセッション懸念から為替相場で円が上昇しやすく、
輸出関連を中心に日本株の重荷となる展開は続きそうです。
一方で、香港紙サウスチャイナは
「来月の20カ国・地域(G20)首脳会談で
トランプ米大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席が
会談する」と伝えており、
足元で会談の実現に不透明感が強まっていたため
好材料だと言えます。
週末にかけて米国側からも会談の開催について
具体的な話が出てくれば、売り方の買い戻しに繋がるとして
来週の相場を見ていきます。
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■主要指数
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『『海外』
・NYダウ:25,169.88ドル (+43.47)
・ナスダック:7,567.716 (+20.406)
・S&P500:2,788.86 (+5.84)
・為替 ドル円:108.92-108.93(-0.82)
『国内』
・日経平均株価:20,601.19円 (-341.34円)
・TOPIX:1,512.28(-19.70)
・日経ジャスダック平均株価:3,339.45円 (-17.90円)
・東証マザーズ指数:904.19 (-0.40)
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■月曜日の予定
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『国内』
1-3月期法人企業統計(8:50)
5月新車販売台数(14:00)
5月軽自動車新車販売台数(14:00)
『海外』
米5月ISM製造業景況指数(23:00)
米4月建設支出(23:00)
休場:ニュージーランド
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■株式2.0参加者様へワンポイント!
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アナリストのKanonです。
ムードのよろしくない相場が続いています。
全体相場としては下げ止まりが見極めにくく
中長期目線での買いには期待ができないと見ているため
トレンドを逸してしまっている銘柄については
現在保有していても妙味に欠けるでしょう。
「チャートが崩れた銘柄は早めに売却」、
「チャートを維持している銘柄は
下落した場面で買い増ししつつ上値を追う」という形での
取引が有効だと見ています。
リスクをヘッジしつつ
短期的な利益確定を狙っていきましょう。